ナレーション:(私たちは日々、何も不自由なく暮らしています。しかし、一歩間違えば、ボタン一つで世界を不幸に陥れる可能性があることを、決して忘れてはなりません。)

ナレーション:(さて、ここで未知の宇宙に目を向けてみましょう。宇宙は無限に広がり、未知に満ちています。多くの作家が昔から作品を生み出してきました。この物語も、宇宙を題材にしています。多くの情報が飛び交う現代に生きる人々に、異なる宇宙環境で育った男女の冒険を通じて、人が追いついていない行き過ぎた文化科学と滅びゆく生態系や宇宙進出に警告と見直しをメッセージとして送ります。)

また、物語を短くまとめると、「地球人以外のアイヌには死という概念はなく、ただステージを一つ越えたということになる。」という独自の概念を基に、オリンポスアイヌの子孫であるオリンピアアイヌたちが、人間の一郎とともに宇宙船で冒険を繰り広げ、人間の科学文化と生態系の危機に警鐘を鳴らす、という内容です。


第一章「追われる金髪美女第一節『峠の出会い』

西暦2023年、春も近づく冬の終わり、国道137号線御坂峠。時刻は午後二時ごろ、一台の大型トラックがカーブの続く峠道を下っていた。このトラックを運転するのは、髪の長い美しい顔立ちのイケメンドライバー、中川一郎。北海道生まれの30歳。取引先に荷物を届けた後、横須賀の会社に戻る途中、大好きなラジオ放送を聴きながら、国道246号線方面に向かっていた。

ラジオのDJ、乱丸:「ごきげんいかが?運転中のドライバーも、ロンリーなZ世代の君にもお届けいたします。今日は懐かしい80年代の曲、『ドゥービー・ブラザーズ』の『ロッキン・ダウン・ザ・ハイウェイ』を素敵なみんなにプレゼントしちゃいます」

《ギャーッ、ツッツーシュパー》

突然!トラックの前を何かが横切った気がした一郎は急ブレーキを踏んだ。エアブレーキとはいえ、高原の自然を掻き消す、物凄い音が静寂を破り、一面に焦げ臭い匂いと砂塵が広がった。そして、すぐ辺りには 何もなかった様に、また静寂が戻った。

急停車したトラックの中で、一郎は焦っって言った。
一郎:「あーっマジ、やっちまった」



一郎はすぐに車を路肩に寄せ停車させた。緊急を考え、エンジンを駆けっぱなしのままにし、『ハザードランプ』停車ランプを点滅させた後、素早くシフトレバーをパーキング位置に置き、サイドブレーキを入れた。すぐに車のドアを開け、路肩に飛び降り、トラックの前方に何もなかったことを確認し、約12m後方の後部扉あたりに回った。一郎はあたりをくまなく見回し、心臓が高鳴りながら声をかけた。獣なら未だ助かる可能性はあるもの、人だったら最悪とおもったからだ。


立ち止まり、一郎は呟いた。

一郎:「おーい大丈夫か、おかしいな?」

一郎の目の前を、確かに何かが素早く横切った。しかし痕跡ナシ。不思議に思った?

人影:「・・ごめんなさい・・」


突然聞こえてきた声のする方をよーく見ると、少し後方の反対車線道路脇の草陰から、謝りながら、恐る恐る顔を出し、手を振っている人影が見えた。

人影は、どうやら女性の様で、近付いてきた。

一郎:「びっくりしたんだわ。それより、大丈夫かい?怪我ない?」

女性が一郎を確認すると、叫んだ。

女性:「だいじょうぶです。追われているの、助けて!」

一郎は女性の「助けて」という一言に反応し、何かに巻き込まれる可能性があるとおもい焦った。普段は同郷の人の前でしか話さない北海道弁がおもわず出てしまった。

一郎:「えっ、追われてる?それ絶対やばいでしょ、そんなところ歩いてたら車くるからさ、危ないっしょっ。気を付けて」

一郎:「(追われているって、ここは山道だ。綺麗な身なりで汚れもないし、この娘はどこから来たんだ?見晴台にあった車から逃げたのかな?事件に巻き込まれたのかも。しかも金髪で蒼い目の美人だし、日本語もペラペラだし、なんかやばいな)そう思った」



その時、女性が慌てて何かを指をさした。一郎が彼女の指す方を見ると、まるでスパイ映画kら飛び出してきたようなサングラスをかけた黒服の男たちが数十メートル後方の草むらから現れた。

女性:「あそこ、あの人たち」

それを見た一郎は正義感に火が付いた。彼女の鞄を素早く受け取って、彼女を誘導した。自分のトラックに乗るように急いで誘うと、運転席のある前方の運転室”キャブ”へと十数メートル走った。
一郎:「早く、こっち来て行くよ、かばん大丈夫?かして」

女性は何故だか?鞄が取られたと勘違いしていた。一郎の後を駆け足で追いかけた。
女性:「何をするんですか?待ってください!」

一郎は女性を安全にキャブの助手席に乗せ、直ぐに鞄を投げ渡した。
一郎:「そこ高いから足気を付けて乗って、はい鞄、投げるよ」

迫りくる追手を見て、一郎の誘導に素直に従った女性。
女性:「ああ、はい」



一郎は発車前の安全点検を素早くし、ハザードランプを消して右ウインカーランプを点滅させた。
女性:「OKです、はい」

トラックのドアが左右閉まる音と同時に、エンジンがうなりを上げた。砂が舞い上がり、二人を乗せたトラックはそこを離れた。
(バタンバッタン、グ、グアン、ギ、ブロローン、ツー、ジャリロロー)

バックミラーを見ると黒服たちが遠ざかっていった。一郎は女性を安心させるために、バックミラーを指さしながら優しく彼女を見た。

一郎:「さっき、鞄、驚かしてごめんな、鞄盗まれると思ったろ?見てみ、うまく逃げられたよ、大丈夫さ」



それを見てほっとしたのか、緊張していた女性はバックミラーを見て、"危険から逃れたことに安堵の表情を浮かべながら、一郎にお礼を言った。

女性:「ありがとう」

一郎がハンドルを握るトラックは、木々に囲まれた緩やかな旧峠道を何事もなく河口湖に下って行った。

これで第一節『峠の出逢い』は終わり、さあどうなっちゃうんだろーね、この二人の運命。次回は二節『ドライブイン』金髪美女の正体?と、必要に追う黒服たち、そして、彼女は助けようとする一郎に鞄を取られると思ったのは何故?鞄の中身が原因なのか?それを黒服は知って追っているのか?読み進めるうちにどんどん明らかになるぞ。乞うご期待!


物語の主要な要素を簡潔に伝えています。ただし、物語の詳細やキャラクター間の関係性などは省略されています。それらを理解するためには、プロローグから全文を読むことをお勧めします。

・・To Be Continued・・




■データ 本文*で囲った言葉*

※四点⇒ハザードランプのことを運手に慣れたプロドライバー等がよく使う。通常後方の車に危険を知らす役目だが、ドライバー同士のコミニケーションとして、アリガトウサインとして用いられている。
※妖精(ようせい、英語: fairy、faery、フランス語: fée)は、神話や伝説に登場する超自然的な存在、人間と神の中間的な存在の総称。だが、この物語では主人公とその周りのこの世にありえない理想の女性を指す。
※キャブ=トラックの運転席がある部分をいう。
※☆The Doobie Brothersは著者が大好きなアメリカカルフォルニア出身のROCKBANDで、オールマン・ブラザーズ・バンドレ-ナード・スキナードZZトップなどの1960~80年代の南部音楽=サザンROCKに影響され80年代に特に活躍、最初は4人BANDで、スタートし、現在は大所帯入れ替わり、BANDというよりはユニットともいえる、2023年4月頃来日予定
※御坂峠
呼称は御坂隧道の富士吉田側入り口地点(標高1300 m)付近を指すようになる。また、古道の峠を「旧御坂峠」、御坂隧道の峠を「新御坂峠」と分けて呼称する場合もある。 1994年(平成6年)11月20日に後述の御坂トンネル有料道路が無料開放・国道指定されたのに伴い、国道指定を解除され、県道富士河口湖笛吹線のトンネルとなった。

(注)挿絵はオリジナル画と、フリー素材イラストACさん、イラストボックス、イラスト屋さん、街の記録さんなどのフォトやイラストをDLし、模写しています。内容イメージに合うよう色や季節感など変たりし、オリジナルと合成して使っています。ウィキペディア(Wikipedia)ウェブリオweblio、街の記録にリンク貼っています。問題ありましたらメールかコメントください。

(注)またオリジナルや改定オリジナルの著作権利はCNBweb日本放送ーradio室に全てありますので、転写はご注意下さい。

hiro900 

手嶋 広

フィクションもどきに最後までお付き合いありがとうでした。 子供のころからサイエンスフィクションが大好なおじさんがイメージしたことを文章化してみました。 嫌じゃなかったら、またお寄りください。次回もまっています。 注:これは小説ではありません。僕の創ったメッセージフィクションです。文中にたびたび出る(アイヌ)は(人、人間、人類)のことです。特定地方の士族を指すものではありませんので、ご理解ください。

コメントを残す