ナレーション:(私たちは日々、何も不自由なく暮らしています。しかし、一歩間違えば、ボタン一つで世界を不幸に陥れる可能性があることを、決して忘れてはなりません。)

ナレーション:(さて、ここで未知の宇宙に目を向けてみましょう。宇宙は無限に広がり、未知に満ちています。多くの作家が昔から作品を生み出してきました。この物語も、宇宙を題材にしています。多くの情報が飛び交う現代に生きる人々に、異なる宇宙環境で育った男女の冒険を通じて、人が追いついていない行き過ぎた文化科学と滅びゆく生態系や宇宙進出に警告と見直しをメッセージとして送ります。)

また、物語を短くまとめると、「地球人以外のアイヌには死という概念はなく、ただステージを一つ越えたということになる。」という独自の概念を基に、オリンポスアイヌの子孫であるオリンピアアイヌたちが、人間の一郎とともに宇宙船で冒険を繰り広げ、人間の科学文化と生態系の危機に警鐘を鳴らす、という内容です。


第四章「コタンコロックル」第一節『老学者』

四章一節に入る前に、ここまでの一部をふりかえってみよう。横須賀のトラックドライバーの一郎は山梨の仕事を終え、横須賀の会社に戻る途中、御坂峠でアメリカの女性記者、フィルを助け、馴染みの食堂に誘った後無事駅に送る。

数か月後、フィルに再会した彼は彼女を北海道のテレビ番組のロケハンに誘い、旭川で出会った考古学者、白川の案内で目的地に到着した。



目的地から宿に戻って来た三人。そこに音信不通だった毛利たちが無事到着していた。一郎は毛利に白川を紹介すると、毛利が昔、白石の教え子と分かる。

白石と毛利は一郎たちと別れ、宿の食堂で何か話し始めた。それは一郎とフィルには聞かれたくなかったのだろうか。彼らは一郎とフィルに部屋で休むように促した。

さて続きは、宿の食堂で毛利と白石が何か話していた。

白石が毛利の出した番組とワイナイ伝説の資料に目を通して言った。

白石:「なるほど、一郎君の夢が、面白そうじゃないかね。『ワイナイ集落』は正式にね『ワナイヌプリのコタン』や『アイヌモシリのポル』のほうがリアルだよね」

毛利が白石の意見を聞きながら自分の仮説を言った。

毛利:「なるほど、っで彼が幼い頃の記憶が曖昧とか秘密めいて、日本人離れしてるでしょ、旭川出身って聞いてもしやコタンコロックルの子孫じゃないかと思ったんですよ」

白石が毛利を鋭く見って尋ねた。

白石:「はいはい、私もそれは感じたね。祖父に旭川で育てられたと言っていたね。記憶が曖昧とかね、祖父とかね、その辺調べてみた?」

白石が自分の頭をたたきながら言った。

白石:「先生の『宇宙生命体』の論文が素晴らしかった。大胆だったからね、賛否両論あったね、で彼は突然学会から姿を消したんだよね。確か生まれが北海道旭川じゃなかったかな?こりゃいやいや驚いたね、中川一郎君か、ああ、私も年だね、全く、気付かなかったよ」

毛利が白石を見ながら語った。
毛利:「一応、祖父の過去も今調ているんですけど、彼が言うところのマタギでは無いようです。まだ、確実ではないんですが元学者のようなんですよ?専門も不明で、引き続き調べてます」

白石が中川という名前に反応し慌てる。

白石:「ほほーッ、一郎君も祖父も過去の記録が曖昧だね?学者?彼の苗字?中川だったね?まさかッ、ほら、毛利君、君も知ってるだろ?私の研究に大きな影響を与えた、それ、中川喜朗博士のことじゃないよね」

毛利が白石の仮説に驚いて尋ねた。

毛利:「えーまさかあの京大の中川喜朗名誉教授のことですか?中川一郎さんが教授のお孫さんという可能性があるということですね?」

白石が自分の頭をたたきながら言った。

白石:「先生の『宇宙生命体』の論文が素晴らしかった。大胆だったからね、賛否両論あったね、で彼は突然学会から姿を消したんだよね。確か生まれが北海道旭川じゃなかったかな?こりゃいやいや驚いたね、中川一郎君か、ああ、私も年だね、全く、気付かなかったよ」



毛利が学生の頃を思い出し語った。

毛利:「中川先生の『人はサルから進化などしていない、宇宙の意思から生まれた』衝撃的でした」

白石が毛利を鋭く見ながら言った。

白石:「大先輩のお孫さんだったら凄い偶然、いや必然かな、っで君としてはこのことが証明出来たら、彼に教えるんだろ」

毛利が白石を見ながら答えた。

毛利:「っはー番組上今日の今とは、もっと後で出さないと真実性が欠けちゃいますから」

白石が毛利の現在の言動と容姿に笑みを浮かべ言った。

白石:「ははッ、なるほど、すっかりテレビ屋だね」



毛利が微笑みを浮かべながら白石に言った。

毛利:「いやーッ、だったら、大スクープですね。先生のお陰で、予想以上にいい番組が出来そうです。全国の視聴者もこいうの待ってますから」

白石が毛利を見つめて言った。

白石:「でもなるべく早く教えてやりなさいよ。彼、夢のせいで大分悩んでるよ」

毛利が白石に笑みを浮かべて言った。

毛利:「もちろん後からと言っても今この宿やワナイヌプリなどのステカット撮っていますので、数日後には彼を撮りますんで、そこで答えが分かるというお膳立てで、彼も結果を知ることに」

白石が毛利を見回しながら言った。

白石:「私も札幌に戻ったら早速、過去の記憶と夢の関係について依田君と打ち合わせしてみよう。っで君に渡せばいい答えが出るんじゃないかね」



毛利が白石の言葉に目を輝かせた。

毛利:「やっそれはありがたいです。しかし、これが証明されたら先生の『古代の声』や中川先生の、『宇宙生命体』、依田先生の『正夢の証』が再注目されますよ」

白石が毛利を見つめながら言った。

白石:「はは毛利君それは急ぎ過ぎだよ。そんなことになったら、中川先生は喜ぶだろうね。孫のお陰で、だからね」

一方一郎とフィルが寛ぐ客間では二人がコヒーを飲みながら話していた。

一郎:「白石先生と毛利さん酒飲んで盛り上がっているね」



と言い、一郎をを見る。

フィル:「うん。私としては内容が気になるなあ?」

フィルは、自分たちがそこに参加出来なかった愚かさを感じ、一郎は反対に良い進展があると信じた。

一郎:「番組で先生と生徒が、偶然出会ったんだから別にいいしょッ」

その時フィルの鞄からスマホの進藤音がした。

(ブー、ブー、ブー)

フィル:「あ、ごめんちょっといい」

突然、フィルのスマホのバイブが振るえた瞬間、彼女は待っていたかのように部屋から廊下に出た。

電話の相手は収財協力をしてくれたステファニーだった。

スマホステファ:「"ハーイ、フィルそっちは、大丈夫"」

フィルは状況をステファニーに言った。

スマホスフィル:「"ありがとう、ステファ。肝心なことを聞けなかった"」

ステファニーがAIリアのデータメールを送った。

スマホステファ:「"リアの暗号データ繋ぐわ。《十年前、ワナイヌプリ、山中、男、変死体、道警は、自殺と断定、その後、身内により、身元判明、中川喜朗、京都大学物理学教授、『宇宙生命理論』で物議を出し学会追放、その後孤児院から、一郎を引き取り育てた》確実みたいだね"」

『リア』とは本文で創った造語である。電子頭脳AIリアのこと。

フィルはデータメールを見ながらステファニーに言った。
スマホスフィル:「"ステファありがとう。今視聴した"」



ステファニーが推理した。

スマホステファ:「"中川博士は暗殺されたのね?"」

フィルはデータメールを見ながらステファニーに尋ねた。、

スマホスフィル:「"私に付きまとっていたのは、やはり、NSAの黒服ってこと?"」

ステファニーがフィルに忠告した。

スマホステファ:「"フィル、気を付けて、ウェンの創り出した別組織みたいよ"」通信する。

フィルはデータメールの内容を目で追いながら、答えた。
スマホスフィル:「"わかったわ、ありがとう。あと、白石と毛利の関係が気になるわ"」



ステファニーが説明しながら、更にデータメールを送る。

スマホステファ:「"フィルここからよ、《白石文雄、京都大学、考古学教授、論文発表妨害される。白石はその後、石板を発掘『ワナイヌプリのアイヌモシリ』解読に成功し、世界で認められ、現在北海道大学教授。毛利正春は学生のころ白石の助手していた。その後東洋テレビに入社した。スリーマン達は、ヤツラに、追放された》白石と毛利は師弟関係ということみたい"」

仕事途中のステファニーが一郎のデータメールを送信した後、すぐに仕事に戻った。

スマホステファ:「"ごめん、一郎のリアデータもあったわ《中川一郎の夢はソドと、ゴモの、核戦争の記憶の可能性、99~100%》ってことで、今からパリ搭乗なの、バーイ、フィル"」

偶然なのか?フィルとステファニーの通話とデータ内容が、食堂で話していた白石と毛利の内容とまったく同じだった。いったい、フィルやステファニーは何者?情報組織のエージェントなのか?謎は深るばかりだ。


物語の主要な要素を簡潔に伝えています。ただし、物語の詳細やキャラクター間の関係性などは省略されています。それらを理解するためには、プロローグから全文を読むことをお勧めします。

メッセージフィクション『ゾーラ』最後の審判 第四章「コタンコロックル」第一節『老学者』は終わりです。最後までお付き合いありがとう。さて次回はいよいよ『ゾーラ』最後の審判 第四章「コタンコロックル」第二節『人類のルーツ』です。一郎は祖父の過去を知る。そして、なぞは謎を呼ぶ、乞うご期待!

・・To Be Continued・・

物語の主要な要素を簡潔に伝えています。ただし、物語の詳細やキャラクター間の関係性などは省略されています。それらを理解するためには、プロローグから全文を読むことをお勧めします。




質疑応答:(通りすがりさんのご質問?フィルは、なんでいちいち電話?お答え♥ッ情報やり取りはメールだと、拉致されたときに、ロックしてもスグ見破られるわ。だから危険でしょ。その点電話だと安全でしょ?っまケースバイケースかな?物語の後半になるとその理由がだんだんわかるかも、ではまたネッ♥)


■凡例

N・・高速道路はおもったより・・)⇒ナレーションorNVナビゲーター
(TR・・お届けは・・)⇒ラジオやテレビの音
(SE・・ギャーギャージャーッー・・)⇒効果音
「WL・・アイツハ・・」⇒外人さん用ベシャリ
「いいじゃん。」・・俺は周りを歩きながら・・見て感動した・・⇒通常のト書き
以下はト書きのようなものをつに分けた
(BM・・・・と、・・・・思った)⇒男心は  
(GL・・・・と、・・・・思った)⇒女心は
PO・・みんなは思った・・)⇒大衆、みんなの心中
※📞なるほど📞or📱フィル・・よ📱⇒電話の内容
※📢・・お早うございます・・⇒業務連絡や広報車、選挙カーなど放送内容
※🎙ハローCQ・・一郎ちゃん聞こえる・・どうぞ🎙⇒トラック無線
撮影中会話or台詞
※・・アリガト・・⇒物語のシガト隊員たちの連絡や作業中に了解、承知、分かった、どうぞ時に使用するワーク用語

■データ 本文*で囲った言葉*

※リル⇒この物語で創造した架空企業ーユニバサル雑誌UFOが使うAIのような電子頭脳のコードネーム端末はタブレット型スマートフォン型スマワッチ型などある。
※お膳立て⇒すぐにとりかかれるように準備をすること。また、その準備。流れを創こと。
※ステカット⇒テレビなどで番組のテーマや関連地域の風景や動植物を録画することで、全部使わないので捨てカットと呼ぶ
マタギ(又鬼)⇒は、日本東北地方北海道から北関東甲信越地方にかけての山間部山岳地帯で、伝統的な方法を用いて集団で狩猟を行う者を指す。
※掩体壕⇒(えんたいごう)は、軍用機などの装備・物資や人員を、砲爆撃など
敵の攻撃から守るために山に掘った横穴や、コンクリートなどで造った横穴状の施設。
※遺構⇒英語で言うところの「Feature英語版」が、日本語の遺構に近い概念だが、一般的に「Feature」には、垂直的なもの(ピット、壁、溝など)は含まれるが、水平的なもの(生活面、床面、庭、道路など)は含まれないとされる
※ワリウネクㇽ⇒アイヌの言葉で神は頂点はカンナムカムイだが・・特に人を創ったとされる神を指す。創造主
※アイ⇒矢
※アイヌ⇒ヒトやアイヌ人と意味する。
※アイヌモシリ⇒アイヌの土地や建物すべてを意味する。
※ワナイヌプリ⇒アイヌ語で崖っぷちで沢のある山。沢近くの険しい山ともとれる。
※ワナイモシリ⇒崖の下にある沢沿いの土地
※コタン⇒アイヌ語の集落=街ともとれる。
※コタンコロックル(コロクル)⇒村長、町長、市長などの集落『長』の意味で取れる。

※lollipopロリーポップ⇒棒つきキャンデー。スラッグで、幼児を象徴するものとして用いられることもある。物語の場合幼い心の残る初心な10代~20代の娘を言う造語。
※北帰行⇒渡り鳥の春の渡り。温暖な地域で越冬した鳥が、北の繁殖地に移動すること。ここでは故郷に久しぶりに戻る一郎の心情を言葉に例えた造語
※real dreamやprophetic dream予知夢、正夢→事実と一致する夢。 将来、それが現実になる夢やデジャブ過去に経験・体験したことのない、初体験の事柄であるはずにも関わらず、かつて同じような事を体験したことがあるかのような感覚に包まれること

(注)挿絵はオリジナル画と、フリー素材イラストACさん、イラストボックス、イラスト屋さん、街の記録さんなどのフォトやイラストをDLし、模写しています。内容イメージに合うよう色や季節感など変たりし、オリジナルと合成して使っています。ウィキペディア(Wikipedia)ウェブリオweblio、街の記録にリンク貼っています。問題ありましたらメールかコメントください。

(注)またオリジナルや改定オリジナルの著作権利はCNBweb日本放送ーradio室に全てありますので、転写はご注意下さい。
hiro900 


手嶋 広

フィクションもどきに最後までお付き合いありがとうでした。 子供のころからサイエンスフィクションが大好なおじさんがイメージしたことを文章化してみました。 嫌じゃなかったら、またお寄りください。次回もまっています。 注:これは小説ではありません。僕の創ったメッセージフィクションです。文中にたびたび出る(アイヌ)は(人、人間、人類)のことです。特定地方の士族を指すものではありませんので、ご理解ください。

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