ナレーション:(私たちは日々、何も不自由なく暮らしています。しかし、一歩間違えば、ボタン一つで世界を不幸に陥れる可能性があることを、決して忘れてはなりません。)

ナレーション:(さて、ここで未知の宇宙に目を向けてみましょう。宇宙は無限に広がり、未知に満ちています。多くの作家が昔から作品を生み出してきました。この物語も、宇宙を題材にしています。多くの情報が飛び交う現代に生きる人々に、異なる宇宙環境で育った男女の冒険を通じて、人が追いついていない行き過ぎた文化科学と滅びゆく生態系や宇宙進出に警告と見直しをメッセージとして送ります。)

また、物語を短くまとめると、地球人の一郎とオリンポスアイヌの子孫であるオリンピアアイヌのフィルシアを中心に、宇宙船や車で冒険を繰り広げる物語。彼らは人間の科学文化と生態系の危機に警鐘を鳴らし、死という概念が存在しないオリンポスアイヌの世界観を通じて、人間の生と死について新たな視点を提供する。という内容です。


第五章「見守られて」第一節『河島の死』

米国ニューメキシコ州アルバカーキから南東に240kmの田舎町の農場に1947年に突如UFOが墜落したと報道されたいわゆる『ロズウェル事件』以降、この街はUFO一色となり、至る所にエイリアンの看板が飾られ、世界的に有名な『UFO』観光の街となったロズウエル。近くに空軍基地が2つ、米国でも警備の重点地域だという。ここに東洋テレビがラジオ局を買収し、ロズウエル支局にした。




ロケハンに来たロズウエルに着いた河島と、田辺が、乗ったタクシーが支局に着いた。

田辺がスナック菓子を食いながら言った。

田辺:「河島さん、新しい支社って広いですね」

観光気分の田辺を、睨みながら河島が、答えた。

河島:「元ラジオ局だったらしいよ」、

ロズウエル支局に入ると支局長のロバートが待ち構えていた。


「久しぶりだね友吾、東京は忙しいだろう?こっちは御覧の通りさ、ところで、礼の資料揃えておいたよ」

河島がロバートに資料のお礼を言った。

河島:「ロバート、それはありがたい」

窓の外を指さしながらロバートが意味深に言った。

ロバート:「もちろん友吾、問題はあの丘だよ」

河島がロズウエルに来た理由の一つが秘密施設の情報収集だった。

河島:「ロバート、やっぱりやつらは何かを見せたくないのか?」

ロバートも河島、同様に秘密施設を色々集材し続けるベテラン記者だ。

ロバート:「友吾、入れる方法が一つだけある。相当危険だが」

河島が身を乗り出してロバートに聞き返した。

河島:「ロバート、それはディナー時間が警備が手薄ってことかい?」



ロバートが警備について説明した。

ロバート:「しかし、警備は緩くなる、表向き民間施設だからね、その時間は、民間警備」

河島がロバートの家族を心配して言った。

河島:「ロバート、君は行くつもりかい?奥さんやお子さんは心配しないのか」

ロバートが手を左右に振り河島に答えた。

ロバート:「一応、ジャーナリストの端くれ真実は知りたいからな、友吾」

河島が自分の覚悟をロバートに伝えた。

河島:「もちろん僕もそのために来たんだから覚悟はできてるよ、ロバート」



二人の話が終わる寸前に田辺が割り込んできた。

田辺:「河島さん、あっ、お話し中いいすか」

河島が、常識の薄い田辺を、睨んで言った。

河島:「何?」

田辺が河島に頼まれた事案の結果を伝えた。

田辺:「あっ、ライトウエル難しいそうです」

河島がお礼を田辺に言った。

河島:「そう、サンキュー」

ロバートが話を切り上げ部屋に戻った。

ロバート:「友吾、私は仕事に戻るよ」

河島がロバートにグーサインを出した。

河島:「あとでロバート」

河島はロバートの用意してくれた資料に目を通し始めた。PCに何やら入力の作業を始めた。その後ランチを取り、午後から支局を出た河島とロバートは車に乗り市内の秘密施設があるというとある丘に向かった。



丘に着き車から降りると二人は目的の施設の様子を上から見ることにした。暫く歩くとロバートが眼下にある真っ白に輝く大きな施設を指さした。

ミリ:「友吾、あれだよ」

二人は、丘の裏側にあった眼下に広がる事務棟や倉庫群、滑走路のある施設の規模に疑惑を感じた。

河島:「想像以上だな。まるでエリア51だな?規模からして民間だけでは到底無理だねロバート、君の言う通り政府関連の施設の可能性はあるね」

ロバートが、施設の疑惑を語った。

ロバート:「表向きは大企業のラボという触れ込みなんだよ。しかし子供でも見れば分かるこの規模に民間だけというのは無理ありありだな、友吾」

河島がロバートを見て言った。
河島:「ロバート、もっと近づけないのかい?」 

ロバートが施設のセキュリティを説明した。

「残念ながら友吾、ボーイスカウトはここまで、このまま行くと、あの山の監視小屋から見えてしまう。パトカーが直ぐ来て面倒になる。だからあそこに行くには第一トラップが監視小屋、第二トラップが監視カメラとマイク、最終が赤外線ビームと、電流フェンスをクリアーしないと進入出来ない」

丘に登った翌日の夕方に河島とロバートは更に打ち合わせをするためにロズウェルの街に出た。ロバートが河島を食事に誘った。テーブルについて語らう二人。

世間話も終わり、河島が施設について推理をロバートに語った。



河島:「国家後ろ盾の民間企業としてもただのラボに滑走路はやりすぎだろ?やはり未だなにかあると僕は見るけど、どうかなロバート?」

ロバートは河島が推理を語るのをまっていたかのように、書類を出して見せた。

ロバート:「それで、また少し調べたんだが、友吾、これが出てきたよ」 

河島が、それを見て尋ね返した。

河島:「例の極秘ファイル?本物かいロバート」 

ロバートが即座に答えた。
ロバート:「オタク向けの観光用じゃないよ、本物のコピー」

愕く河島が言った。

河島:「ロバート、すごいじゃないか」 



ロバートが書類を指しポイントを説明した。

ロバート:「私も奇跡とおもったよ、ここ部分見てくれ、分かるか友吾?」

河島はその資料に驚いた。

河島:「ロバート、これはあのラボの写真と資料じゃないか?」 

ロバートが興奮しながら河島に説明した。

ロバート:「問題は、友吾、その下の文面だよ。これは思った、以上に厄介だね」

その文面を見た河島は絶句した。
河島:「国防省、NASA、空軍、マクダネ、ボーグの合同プロジェクトミッション。あのラボ」

ロバートが河島に真剣な顔で忠告した。

ロバート:「友吾、これは危険すぎる。中止した方がいいかもな、君はこれを持って早いとこ帰国しろ」



河島はロバートの表情に何か胸騒ぎがした。

河島:「ロバート、一人で行く気だな」

ロバートは真剣な視線で河島に答えた。

ロバート:「馬鹿言うなよ、友吾、私も死にたくはないよ。違う方法を探るさ」

河島は微笑みながらロバートに言った。

河島:「ロバート、もう一回ハイキングをしてみるよ」

河島の顔を見ながらロバートが微笑みながら言った。

ロバート:「ハイキングだったら、友吾、付き合うよ」

翌朝、物語はロズウェル郊外のある丘へと移る。丘の中腹の空き地にパトカーと救急車がとまり、3人の警官がなにやら話していた。




警察官アダムが無線で報告した。

警官アダム:「50代、白人男性、もう一人は50代、東洋人男性、二人とも外傷ナシ、原因凍死」

警察官がビリーが検証する。

警官ビリー「昼夜の温度差甘く見たな、観光客か気の毒に、アーメン」

警察官クリスが祈った。

警官クリス:「アーメン」



一方、東京の東洋テレビ『サイエンススペシャル』制作部のモニターにアメリカのロズウエル支社から緊急連絡が響いた。

局内緊急システムが大きな音で(ピコポン、ピコポン、プォー、アメリカロズウエル入電、緊急連絡)鳴り響いた。

ロズウェルに出張中の田辺が鳴き声で連絡してきた。

電話田辺:「毛利さん、ううッ、河島さんが…河島さんが…今朝死んじゃいました」

毛利が田辺の連絡に絶叫した。

電話毛利:「河島さんがぁ、死んだッ?田辺ちゃん、マジで」

ロズウエルから田辺が、緊急回線で河島の死を報告した。人望の厚かった河島だけに局内は騒然とした。

第一節『河島の死』は終わりです、最後までお付き合いありがとう。次回はいよいよメッセージフィクション 第五章「見守られて」第二節『ブルーファイル』河島の告別式で出逢った河島の妻、洋子が、数日後相談したいとフィルと一郎を呼び出した。仕事が早く終わった一郎は会社からトラックを借り、フィルと伴に横浜に向った。洋子から渡されたのは?極秘文書。乞うご期待!


物語の主要な要素を簡潔に伝えています。ただし、物語の詳細やキャラクター間の関係性などは省略されています。それらを理解するためには、プロローグから全文を読むことをお勧めします。



・・To Be Continued・・



■データ 本文*で囲った言葉*

※リル⇒この物語で創造した架空企業ーユニバサル雑誌UFOが使うAIのような電子頭脳のコードネーム端末はタブレット型スマートフォン型スマワッチ型などある。
※お膳立て⇒すぐにとりかかれるように準備をすること。また、その準備。流れを創こと。
※ステカット⇒テレビなどで番組のテーマや関連地域の風景や動植物を録画することで、全部使わないので捨てカットと呼ぶ
マタギ(又鬼)⇒は、日本東北地方北海道から北関東甲信越地方にかけての山間部山岳地帯で、伝統的な方法を用いて集団で狩猟を行う者を指す。
※掩体壕⇒(えんたいごう)は、軍用機などの装備・物資や人員を、砲爆撃など
敵の攻撃から守るために山に掘った横穴や、コンクリートなどで造った横穴状の施設。
※遺構⇒英語で言うところの「Feature英語版」が、日本語の遺構に近い概念だが、一般的に「Feature」には、垂直的なもの(ピット、壁、溝など)は含まれるが、水平的なもの(生活面、床面、庭、道路など)は含まれないとされる
※ワリウネクㇽ⇒アイヌの言葉で神は頂点はカンナムカムイだが・・特に人を創ったとされる神を指す。創造主
※アイ⇒矢
※アイヌ⇒ヒトやアイヌ人と意味する。
※アイヌモシリ⇒アイヌの土地や建物すべてを意味する。
※ワナイヌプリ⇒アイヌ語で崖っぷちで沢のある山。沢近くの険しい山ともとれる。
※ワナイモシリ⇒崖の下にある沢沿いの土地
※コタン⇒アイヌ語の集落=街ともとれる。
※コタンコロックル⇒村長、町長、市長などの集落『長』の意味で取れる。

※lollipopロリーポップ⇒棒つきキャンデー。スラッグで、幼児を象徴するものとして用いられることもある。物語の場合幼い心の残る初心な10代~20代の娘を言う造語。
※北帰行⇒渡り鳥の春の渡り。温暖な地域で越冬した鳥が、北の繁殖地に移動すること。ここでは故郷に久しぶりに戻る一郎の心情を言葉に例えた造語
※real dreamやprophetic dream予知夢、正夢→事実と一致する夢。 将来、それが現実になる夢やデジャブ過去に経験・体験したことのない、初体験の事柄であるはずにも関わらず、かつて同じような事を体験したことがあるかのような感覚に包まれること

(注)挿絵はオリジナル画と、フリー素材イラストACさん、イラストボックス、イラスト屋さん、街の記録さんなどのフォトやイラストをDLし、模写しています。内容イメージに合うよう色や季節感など変たりし、オリジナルと合成して使っています。ウィキペディア(Wikipedia)ウェブリオweblio、街の記録にリンク貼っています。問題ありましたらメールかコメントください。

(注)またオリジナルや改定オリジナルの著作権利はCNBweb日本放送ーradio室に全てありますので、転写はご注意下さい。

hiro900 




手嶋 広

フィクションもどきに最後までお付き合いありがとうでした。 子供のころからサイエンスフィクションが大好なおじさんがイメージしたことを文章化してみました。 嫌じゃなかったら、またお寄りください。次回もまっています。 注:これは小説ではありません。僕の創ったメッセージフィクションです。文中にたびたび出る(アイヌ)は(人、人間、人類)のことです。特定地方の士族を指すものではありませんので、ご理解ください。

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