ナレーション:(私たちは日々、何も不自由なく暮らしています。しかし、一歩間違えば、ボタン一つで世界を不幸に陥れる可能性があることを、決して忘れてはなりません。)

ナレーション:(さて、ここで未知の宇宙に目を向けてみましょう。宇宙は無限に広がり、未知に満ちています。多くの作家が昔から作品を生み出してきました。この物語も、宇宙を題材にしています。多くの情報が飛び交う現代に生きる人々に、異なる宇宙環境で育った男女の冒険を通じて、人が追いついていない行き過ぎた文化科学と滅びゆく生態系や宇宙進出に警告と見直しをメッセージとして送ります。)

また、物語を短くまとめると、「地球人以外のアイヌには死という概念はなく、ただステージを一つ越えたということになる。」という独自の概念を基に、オリンポスアイヌの子孫であるオリンピアアイヌたちが、人間の一郎とともに宇宙船で冒険を繰り広げ、人間の科学文化と生態系の危機に警鐘を鳴らす、という内容です。


第一章『追われる金髪美女』第三節『憩いの場所』

第三節に入る前に、ここまでの一部を振り返りってみよう。横須賀のトラックドライバーの一郎は山梨で仕事を終え、帰路につく途中でアメリカ人女性記者フィルを助ける。二人は一郎の知り合いである山元信平が経営するドライブイン『峠』で食事を共にする。しかし、その頃外では黒服の男たちがフィルを追っていた...

助手席のフィルを気にしながら、運転席側のドアーを開け降りる一郎。

一郎:「着いたよ。時代の流れでさ、家族で楽しめるお店にリニューアルオープンしてから、俺も初めてなんだけど、ドライバー達は洒落過ぎて少し照れくさいって言っているらしいんだ。アツ、気を付けて降りて」

店舗の外観と周辺雰囲気にニッコとしながら言ったフィル。

フィル:「ドライブイン、懐かしくて大好きなんだ」

そして二人はまるで、恋人のように腕を組んで、店に向かった。

そして、続きは、店内に入った二人、一郎の知っている『峠』とはガラリと雰囲気の違うカントリー&ウエスタン風の内装にリニューアルされていた。カントリー&ウエスタンのBGMが流れていた。



気持ちのいい声が厨房から店中に響いた。大声の髭ずら男は、ドライブイン『峠』の店主山元信平、北海道出身。彼は同郷でもる、一郎の人柄を気にっていた。
、
信平:「ラシャイー」と言い、大声で呼び込む。

一郎は店に入って驚いた。和の店主のいつもの呼び声と、西部劇風の内装が意外にマッチしていい感じと思った。一郎は少し安心し、フィルに確認した後、奥の席を選んでテーブルに着いた。

一郎:「噂には聞いていたけどね、なまらっ、西部劇ってか、フィル、席あそこで、いいかな?」

フィル嬢は最初、初めて見る和洋瀬中の独特の店内の雰囲気に圧倒された。
フィル:「アッ、うん」と言って、答えた。

少し離れた席から近付いて来た、麻黒い顔をした男、会社の先輩、本田が久しぶりに会う一郎を発見し、近付き彼に声をかけた。実は一郎、有名なROCKアーティストのツアートラックの仕事で長い間出張していたので、ここへ来るのは久しぶりだった。


本田:「おう、一郎ちゃんお久。今日は一之宮のルミ?」

一郎は本田に挨拶を返すと、今日の仕事の流れやこの店のリニューアルの感想を言った。

一郎:「いやあ本田さん、おつかれすっ、今日は塩山のスーパーです。っていうか、店変りすぎでしょ?」

フィルの存在に気付いて焦る本田、初対面が苦手なので彼女に頭を下げ、その場から逃げ出そうとした。
本田:「変わったね。ところで、ど、ど、したのよ?金髪のおじょうさんと一緒ってまさか彼女?」

一郎はフィルを助けた経緯を話した。本田に気づき隣で頭を軽く下げるフィル。
一郎:「ああ、彼女、峠で困っていたんで、乗せてあげたんす」

そんなやり取りを見つつ、店員らしき長髪の日本風美女がニコニコしながら、近づいて来た。彼女の名前は山元沙織、このドライブイン『峠』の一人娘で、一郎にとっては同郷でもあり、内地の姉のように慕っていた。優しくも怖い存在だった。沙織も弟のように接していたので、彼女も出来ないので一郎を心配していた。それが金髪美女と同伴しているのを見て驚いた。



沙織:「いらしゃい、一郎ちゃん、アラッ可愛い、紹介して」

一郎はフィルとの出逢いなど、沙織に怒られない様にフィルとの出会いの経緯を話した。

一郎:「今、本田さんにも話していたんだけど、峠で、彼女、助けてって困っていたんで乗せてあげたんだわ。ほんとさ」

フィルは沙織に向かって丁寧に自己紹介し、挨拶をした。

フィル:「フィル、サイモンです。初めまして」

沙織はフィルが、日本人と同じ様に話すことに驚いた。

沙織:「こんにちはサイモンさん。凄ーい、日本語上手ね。ようこそドライブイン『峠』の沙織よ」



一郎に続くように、フィルが沙織に軽く今までの経緯を話した。更に店の雰囲気を誉めた。

フィル:「ありがとう。フィルと呼んでください。一郎に助けてもらったんですよ。沙織さん、このお店素敵ですね。グッジョブ」

沙織はフィルに店を誉められたお礼と、峠での起こった災難を労った。

沙織:「ありがとう。可愛いでしょ、。私のアイデア、おとうさん頑固だから、黙って、やっちゃった...そうなんだ、御坂で、怖い思いしたのね」

突然指笛が店に響いた。

(・・フィーフィー・・)

一郎やフィルに気付いた大勢のドライバー仲間が同調して指笛を鳴らし、一郎をちゃかした。

ドライバー群:「おおおっー、一郎ちゃんイケメンだから、青い目のお嬢さんと、『峠』の沙織姫と、両手に花、モテモテだね、いいなー紹介してよ」


沙織は、このおやじギャグに慣れていないフィルの心に傷つかない様に気遣った。

沙織:「あらあら、どうしたのみなさん、アメリカから来たフィルちゃんよ、可愛いでしょ」

フィルは沙織に合わせ、アイドルのようなジェスチャーを混ぜて、彼らに向かいペコリし、挨拶した。一郎と沙織が彼女の大胆さに驚いた
フィル:「アメリカから来たフィルでーす。宜しくね」

大笑いの店は、沙織ファンがフィルに大歓迎して大盛り上がりになった。
ドライバー群:「沙織姫わかってます。フィル姫。ようこそ日本へウエルカムジャパン、ハハ、乾杯ー」

美人で、曲がったことが大嫌いな沙織は性格も良い。トラックドライバーの憧れの姫様。そこに突然現れた透明感のある金髪の妖精フィル。ドライバー達は一郎が羨ましいんでしょうね。



その時、厨房から一郎たちの席が見え、厨房の方から店主の威勢のいい声が店に響いた。

信平:「おーい沙織、いつまでしゃべってんだ。一郎さんに悪いべな。焼肉定食一丁、出来たよ」

沙織はフィルに向かって、父親の大声を気にしないでほしいと謝った。

沙織:「ハーイ今行きます、おとうさんたら、ねー、フィルちゃんごめんなさい」

その間も、店の外では黒服の男たちが車内で何やら話し合っているようだった。彼らはアメリカ南部訛りの英語で無線連絡を取り合っていた。
無線で話すデイック”ターゲットはドライブイン『峠』にいる”と送信している。

これで、第三節『憩いの場所』は終わり、次回は第四節『わかれ』です。ついに黒服たちの4wd車がドライブインに到着してしまった。彼らは駐車場に入らず国道246号の少し広い、路肩にのりれ、待ち構えた。そんなことなど知らず店内では、一郎とフィルが一郎が毎晩見る不思議な夢の話をした。さていかなることやら?乞うご期待!


物語の主要な要素を簡潔に伝えています。ただし、物語の詳細やキャラクター間の関係性などは省略されています。それらを理解するためには、プロローグから全文を読むことをお勧めします。




・・To Be Continued・・


■データ 本文*で囲った言葉*

※古くて汚い店⇒昔からある頑固な店主で料理の旨い店を下町や長距離ドライバーなどが皮肉って言った造語=誉め言葉
※トンボ⇒片道輸送のこと。帰りは荷物なしで会社にというような意味
※一之宮のルミ⇒著者が好きな甲州ワインの老舗ワイナリー
※気立てが良い」⇒「素直で心優しく、他者を気遣う性質」を表します。つまり、「気立てがいい」とは、簡単に言うと「性格がいい」ということです。また、「気立て」は「親切」「悪気がない」というニュアンスも含まれており「気立てがいい」と言われたときは、基本的にポジティブな意味として捉えていいでしょう。
※看板娘⇒客をひきつけ、店に足を運ばせる理由にもなる、魅力のある娘を指す表現
※シューエルホースガール→shrew horse girlじゃじゃ馬娘「とは、目上の人の言うことを聞かない女性のことを意味しています。 その他にも、人に中々慣れない暴れ馬という意味も持っています。
ドライブイン→(英:drive-inまたはdrive-inn)とは、自動車に乗車したままで乗り入れることのできる商業施設のことである。本来はドライバーの休息、食事の店に簡易な宿泊施設を備えたdrive-innが原型で、innは小規模な家族的旅館を意味した。※キャブ=トラックの運転席がある部分をいう。
データ
※☆The Doobie Brothersは著者が大好きなアメリカカルフォルニア出身のROCKBANDで、オールマン・ブラザーズ・バンドレ-ナード・スキナードZZトップなどの1960~80年代の南部音楽=サザンROCKに影響され80年代に特に活躍、最初は4人BANDで、スタートし、現在は大所帯入れ替わり、BANDというよりはユニットともいえる、2023年4月頃来日予定
※御坂峠
呼称はR137号御坂隧道の富士吉田側入り口地点(標高1300 m)付近を指すようになる。また、古道の峠を「旧御坂峠」、御坂隧道の峠を「新御坂峠」と分けて呼称する場合もある。 1994年(平成6年)11月20日に後述の御坂トンネル有料道路が無料開放・国道指定されたのに伴い、国道指定を解除され、県道富士河口湖笛吹線のトンネルとなった。

(注)挿絵はオリジナル画と、フリー素材イラストACさん、イラストボックス、イラスト屋さん、街の記録さんなどのフォトやイラストをDLし、模写しています。内容イメージに合うよう色や季節感など変たりし、オリジナルと合成して使っています。ウィキペディア(Wikipedia)ウェブリオweblio、街の記録にリンク貼っています。問題ありましたらメールかコメントください。

(注)またオリジナルや改定オリジナルの著作権利はCNBweb日本放送ーradio室に全てありますので、転写はご注意下さい。


hiro900 

手嶋 広

フィクションもどきに最後までお付き合いありがとうでした。 子供のころからサイエンスフィクションが大好なおじさんがイメージしたことを文章化してみました。 嫌じゃなかったら、またお寄りください。次回もまっています。 注:これは小説ではありません。僕の創ったメッセージフィクションです。文中にたびたび出る(アイヌ)は(人、人間、人類)のことです。特定地方の士族を指すものではありませんので、ご理解ください。

コメントを残す