ナレーション:(私たちは日々、何も不自由なく暮らしています。しかし、一歩間違えば、ボタン一つで世界を不幸に陥れる可能性があることを、決して忘れてはなりません。)

ナレーション:(さて、ここで未知の宇宙に目を向けてみましょう。宇宙は無限に広がり、未知に満ちています。多くの作家が昔から作品を生み出してきました。この物語も、宇宙を題材にしています。多くの情報が飛び交う現代に生きる人々に、異なる宇宙環境で育った男女の冒険を通じて、人が追いついていない行き過ぎた文化科学と滅びゆく生態系や宇宙進出に警告と見直しをメッセージとして送ります。)

また、物語を短くまとめると、「地球人以外のアイヌには死という概念はなく、ただステージを一つ越えたということになる。」という独自の概念を基に、オリンポスアイヌの子孫であるオリンピアアイヌたちが、人間の一郎とともに宇宙船で冒険を繰り広げ、人間の科学文化と生態系の危機に警鐘を鳴らす、という内容です。


第三章「ワイナイ伝説」第一節『雑踏の偶然』
第三章に入る前に、ここまでを少し振り替えてみよう。一郎は河島から北海道取材に同行するよう提案された。しかし、祖父が亡くなってから帰郷していない自分に戸惑いを感じつつ、番組素材から得られる答えへの期待もあった。その一方で、一郎の夢に興味を持った河島はそれを番組の演出に利用しようと考えていた。翌日、一郎は休暇だったが、北海道に行くことについて、仕事や同僚のことを考えていた。その結果、社長に相談するために会社に出向き、社長から快諾を得たので、北海道に行く決心をした。

続きは、衣笠の街に出てみた一郎。古くからの店や新しい店が軒を並べ、老若男女が行きかい華やいでいた。

一郎は毎月、月末の休みに衣笠の街に出かけ、親切な店主である川端書店でSF雑誌を購入していた。
一郎:「おじさん、『月刊UFO』4月号、売り切れちゃった?」

川端は毎回買いに来る一郎のため、一冊残してくれていた。
川端:「あっ一郎ちゃん。もう来る頃かなって思って、待っていたよ。一冊だけ奥に取ってあるよ」

一郎はいつも親切にしてくれる川端に笑みを浮かべて礼を言った。
一郎:「いつもすんません。」

一郎はいつも川端の暖かさに甘えていた。

川端:「えーと、ちょっと、待ってね、おう、あった『月刊UFO』四月号ね」

川端。が、奥のストック用の棚から四月号を出してくれた。

川端:「一郎ちゃん、今日は休み?」

一郎は川端に微笑みながら答えた。

一郎:「やあ、特別休暇をもらいまして」

店主と世間話をして本を受け取った後、久々に大通りの商店街をブラブラしていた。突然、一郎の名を呼ぶ女性の声が聞こえた。

女性:「一郎!」

呟きながら声の方を向いた。よく見たら、それは反対歩道で若い母親が、子供を呼んでいる声だった。
一郎:「えっ?」

再び一郎の名前を呼ぶ女性の声がした。どこか聞いた懐かしい声だったので、一郎は振り向いた。
女性:「一郎ッ!」


「えっ?まじ、フィル?」
一郎は驚いた。声の主は山北で別れた以降一度も会っていなかったフィル・サイモンだった。彼女は一郎と別れた後も彼の悩みを解決しようと仕事の合間を見て仲間と一緒に『夢の街』の資料を探していた。

そんな一郎を見て、フィルはジェスッチャーを交え滑稽に振る舞った。
フィル:「フッ、何驚いているの、忘れちゃった?オーマイガット」

沙織と愛美以外の女性と話すのが苦手な一郎。彼女だけは不思議に話せた。
一郎:「ッ、や、忘れてないよ。リアル・ドリームだろ?」

リアル・ドリームそれは、はまるで、二人だけの合言葉のようだった。
フィル:「イェス・リアル・ドリーム」

二人は暫くお互いを確認し合って、近くのカフェに場所を変えた。



一郎はフィルの怒った顔も、やっぱ、カワユイなと思った。その一方で、彼女の言葉には深い意味が込められていることを感じ取り、一郎は少し真剣な表情に切り替えた。

フィル:「そういうことがあったんだ。私、狐や魔女じゃないよ」

一郎がフィルに苦笑いしながら言う。

一郎:「わりいわりい。俺も狐とは言わなかったけど、で正直、あの日はあまり突然の出来事でさッ、それにフィルの美しさと神秘性が、まるで夢の中にいるような感覚を俺に与えたんだ。だから、妖精と思っていたのさ。フィルが現実の人間だと知った時、その驚きは言葉では表せないほどだったんだわ」

フィルは一郎を一度睨んだが、彼の言葉を聞いて思わず笑ってしまい、ご機嫌を取り戻した。
フィル:「妖精なら許す。一郎、私の事わすれていたでしょ?連絡方法を教えてくれなかったから、みんなで探したんだよ」

一郎は即座にフィルに謝った。
一郎:「あ、ごめん、スマホは苦手でさ」



フィルの調査結果も、河島達が言っていた『ワイナイ』だった。

フィル:「あれから気になって調べたら、日本の北海道アイヌの言い伝えに、あの夢にそっくりな『ワイナイ』って集落がヒットしたのよッ」

一郎がフィルにテレビ局での出来事を話した。

一郎:「ついこないだ、テレビに出演することになってさ、でっ、北海道の『ワイナイ」集落が夢の街に、似ているから、行かないかって?言われたんだよね」

フィルは一郎を見て言った。

フィル:「やっぱり、リアル・ドリームだったかも」

一郎はまだ不安を感じていた。そんな時、河島が以前に言っていた「彼女でも連れて来たら」という言葉を思い出した。それなら、と一郎は思いついた。博学で何でも話せるフィルに、ダメ元で北海道への同行を頼んだ。
一郎:「っで、よかったら、来月、一緒に、北海道、忙しくなかったら、いってくれない」

フィルは一郎の困り顔を見てニコッとし快諾した。
フィル:「いいよ、OK」

一郎はダメもとで言ったので、フィルの快諾に安心した。
一郎:「まじありがと。一人じゃ不安だからさ助かったよ」

一郎とフィルはそのハリウッドスターのような美貌から、どこでも周りの視線が騒めき、一瞬で別世界になってしまう。その二人の不思議な魅力に、周囲の人々は引きつけられていた。

一郎とフィルの少し離れた席の男女がヒソヒソしている。

女性客「ねえ、あの席の二人、ハリウッド俳優じゃない、スパイ映画だっけ?」と言って一郎たちを見た。
男性客「まっさか、こんな所に?でも彼女、くりそつだよな?リリー何だっけ」と言ってフィルを見る。

一郎は河島にジャーナリストのフィルの同行を尋ね、快諾された。結果、フィルは北海道に同行することになった。



翌週の午後、大きなリュックを背負った一郎とフィルが羽田空港国内線出発ロビーで出発の準備をしていた。二人の姿はまるでハリウッドスターのようで、周囲は騒然としていた。

家族連れが一郎とフィルを見つめていた。

家族:「凄く魅力的な二人ね」

一郎とフィルを見る家族連れ。

家族:「ママッ、あれ誰だ?」

一郎とフィルを見る家族連れ。

家族:「知らないけど?外国のモデルさんじゃない?」

突然、小学校低学年くらいの可愛い女の子が、一郎たちに近付いて来て尋ねた。
「カッコイイお兄さんと綺麗なおねーさんはモデルさんですか?」

一郎は少女の目線まで腰を降ろして、笑みを浮かべ言った。
一郎:「ありがとう。でも、僕たちはモデルじゃなくて、テレビ局の人なんだよ」

少女が叫んだ。
少女:「へえ、ママー違うって、テレビの人だって」

少女が叫んだ方向を見ると、若い夫婦が気まずそうに頭を下げた。
家族:「すいませーん。もう、この子ったら、お邪魔でしょ、おいで」




少女が一郎とフィルの目立つ様子を見て、家族に誰か尋ねたのだろう。そして、自分で聞いてみるように言われたのかもしれない。

構内アナウンス:(最終案内をいたします。札幌新千歳、13時。65便...)

一郎:「おませで可愛いね、そろそろ出発かな」と言って、微笑む。

フィル:「うん。」と言って、微笑む。



次回は第三章『ワイナイ伝説」第二節『北帰行』いよいよ答え探しの北海道旅がスタート。だが集落の跡に着くと、そこには黒い影が、二人をつけまわす?果たしてどうなることやら、乞うご期待!

物語の主要な要素を簡潔に伝えています。ただし、物語の詳細やキャラクター間の関係性などは省略されています。それらを理解するためには、プロローグから全文を読むことをお勧めします。

・・To Be Continued・・


■凡例

N・・高速道路はおもったより・・)⇒ナレーションorNVナビゲーター
(TR・・お届けは・・)⇒ラジオやテレビの音
(SE・・ギャーギャージャーッー・・)⇒効果音
「WL・・アイツハ・・」⇒外人さん用ベシャリ
「いいじゃん。」・・俺は周りを歩きながら・・見て感動した・・⇒通常のト書き
以下はト書きのようなものをつに分けた
(BM・・・・と、・・・・思った)⇒男心は  
(GL・・・・と、・・・・思った)⇒女心は
PO・・みんなは思った・・)⇒大衆、みんなの心中
※📞なるほど📞or📱フィル・・よ📱⇒電話の内容
※📢・・お早うございます・・⇒業務連絡や広報車、選挙カーなど放送内容
※🎙ハローCQ・・一郎ちゃん聞こえる・・どうぞ🎙⇒トラック無線
撮影中会話or台詞
※・・アリガト・・⇒物語のシガト隊員たちの連絡や作業中に了解、承知、分かった、どうぞ時に使用するワーク用語

■データ 本文*で囲った言葉*

※lollipopロリーポップ⇒棒つきキャンデー。スラッグで、幼児を象徴するものとして用いられることもある。物語の場合幼い心の残る初心な10代~20代の娘を言う造語。
※北帰行⇒渡り鳥の春の渡り。温暖な地域で越冬した鳥が、北の繁殖地に移動すること。ここでは故郷に久しぶりに戻る一郎の心情を言葉に例えた造語
※real dreamやprophetic dream予知夢、正夢→事実と一致する夢。 将来、それが現実になる夢やデジャブ過去に経験・体験したことのない、初体験の事柄であるはずにも関わらず、かつて同じような事を体験したことがあるかのような感覚に包まれること

(注)挿絵はオリジナル画と、フリー素材イラストACさん、イラストボックス、イラスト屋さん、街の記録さんなどのフォトやイラストをDLし、模写しています。内容イメージに合うよう色や季節感など変たりし、オリジナルと合成して使っています。ウィキペディア(Wikipedia)ウェブリオweblio、街の記録にリンク貼っています。問題ありましたらメールかコメントください。

(注)またオリジナルや改定オリジナルの著作権利はCNBweb日本放送ーradio室に全てありますので、転写はご注意下さい。

hiro900 


手嶋 広

フィクションもどきに最後までお付き合いありがとうでした。 子供のころからサイエンスフィクションが大好なおじさんがイメージしたことを文章化してみました。 嫌じゃなかったら、またお寄りください。次回もまっています。 注:これは小説ではありません。僕の創ったメッセージフィクションです。文中にたびたび出る(アイヌ)は(人、人間、人類)のことです。特定地方の士族を指すものではありませんので、ご理解ください。

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