ナレーション:(私たちは日々、何も不自由なく暮らしています。しかし、一歩間違えば、ボタン一つで世界を不幸に陥れる可能性があることを、決して忘れてはなりません。)

ナレーション:(さて、ここで未知の宇宙に目を向けてみましょう。宇宙は無限に広がり、未知に満ちています。多くの作家が昔から作品を生み出してきました。この物語も、宇宙を題材にしています。多くの情報が飛び交う現代に生きる人々に、異なる宇宙環境で育った男女の冒険を通じて、人が追いついていない行き過ぎた文化科学と滅びゆく生態系や宇宙進出に警告と見直しをメッセージとして送ります。)

また、物語を短くまとめると、「地球人以外のアイヌには死という概念はなく、ただステージを一つ越えたということになる。」という独自の概念を基に、オリンポスアイヌの子孫であるオリンピアアイヌたちが、人間の一郎とともに宇宙船で冒険を繰り広げ、人間の科学文化と生態系の危機に警鐘を鳴らす、という内容です。


第二章『TVトークショー』第一節『徹の企て』

二章の一節に入る前に、ここまでの一部を振り返ってみよう。横須賀のトラック・ドライバーの一郎は仕事帰りに女性記者フィルを助け、彼女を食事に連れて行き、無事駅まで送った。フィルと別れて日常に戻った一郎はフィルとの出会いをすっかり忘れ、日々の激務に追われていた。

彼の日常は、トラックの運転と荷物の積み下ろし、そして短い休憩時間での食事というルーチンで満たされていた。そんなある日、2023年4月1日『エイプリルフール』の午後、冬の寒さからようやく春の訪れが漂い始めた。神奈川県横須賀市の郊外にある一郎の勤める運送会社『荒川運輸』のモータープールには、数台のトラックが規則正しく並べられていた。春の訪れとともに、一郎の日常も少しずつ変わり始めるのだった。

ラジオのDJ:「...『ここ夏パラダイス』...今日も、あなたの知らない...」

さて続きは、今日は何時もよりは仕事が早く終わりスマホでお気に入りのWeb放送を聴きながら車を点検している一郎。すると、突然後方から寒気が刺した。

猫なで声で言いながら、背の高い中肉のサファーカット頭の男が一郎の側に来た。男の名は会社の同僚、村上徹。一郎の会社仲間。上京して初めて出逢った親友だった。

徹:「一郎ちゃん、一郎君ってば」


一郎:「徹じゃん。なに?キモイ声だっしゃって、やめろ。今日は金ねえぞ」

徹はいつもと違いモジモジして、一郎に、何か言いたそうだ

徹:「っま、そういうなって、違うよ」

一郎は、徹を睨みながら断言した。

一郎:「じゃあなんだよ?先月の五千円...返してもらってねーし」

一郎は徹のモジモジした様子に気づいた。

一郎:「ああっ…『峠』の沙織姫?」

村上徹は沙織に片思いしていた。彼のルートは山梨だったが、最近会社の方針で埼玉ルートになった。だから、ドライブイン『峠』に寄ると逆方向になり、規定時間内に運行できなかった。そこで彼は時々沙織姫の様子を山梨エリア担当班長の一郎に尋ねていた。



どうやら徹は『峠』の沙織の様子を聞きたいらしい。
徹:「そうそう…元気だった?」

一郎は沙織の近況を伝えた。
一郎:「ああっ、相変わらず元気で、美人で優しいし、やっぱ俺たちの姫だね」

徹はあまりに沙織を誉める態度にやきもちをやいた。
徹:「おおお、抜け駆けするなよ」

興奮する徹に一郎は徹を睨みつけながら断言した。

一郎:「馬鹿言え、俺にとっちゃご意見番、内地の姉貴だぞ。お前さ、そんなに気になるんだったら、ダメもとで告っちゃえばいいじゃん。弟になりたかねーけど」

徹は言い返すと直ぐ話題を変えた。

徹:「簡単に言うなよ、それよりお前、本田さんから聞いたぞ」

徹は言い返すと直ぐ話題を変えた。

徹:「簡単に言うなよ、それよりお前、本田さんから聞いたぞ」

何だろうと思った一郎。

一郎:「おっ、なによ」

徹が一郎に会社やトラック仲間で、話題の噂話をし出した。

徹:「金髪で、妖精みたいな、スゲーかわい子と、一緒にいたらしじゃん」と言いながら、詰め寄る。

と言って、ボケる。

一郎:「ああっ...言わなかったっけ」

徹:「きいてねーし」と言って、すねた。

一郎は少し考え込み、思い出しながら言った。

一郎「変な奴に追われてさ…俺の車の目の前に横切ってさ、飛び出してきたわけなんよ。北欧系美人つうの、これがまた妖精、可愛い娘でさ、ありゃ最高の夢だったな」



一郎が知らんぷりをしていると、徹は両手を広げて呆れた表情をした。
「はー、だいじょうぶすか?一郎君、やっぱ狐ですか?本田さんから聞いているって、言ってんの」

一郎は子供の頃から、”UFO”を目撃したり、毎日同じ”夢”を見たり不思議な体験が続いていた。だから、フィルとの出会いや冒険も、ただの幻覚の一つに過ぎないと思っていた。

一郎:「狐って何?、本田さんが徹に、何を言ったのよ?」

徹は、一郎に峠で不思議な事故が多いので、危険だと忠告をした。
徹:「お前、何言ってんの、あの峠のカーブは狐が化かすから事故が多発しているんだぞ」

一郎は徹の”狐”という言葉に反応し尋ね返した。
一郎「あそこ、やばいんだ?」



徹が得意顔で一郎に説明した。

徹:「狐に騙された。妖精が出たとか、噂あってさ、一郎と本田さんがドライブイン『峠』で見たのは本物の妖精っじゃなかったのかって噂されてんだよ」

一郎と徹の会話が終わり、一郎が仕事に戻ろうとしたその時、突然一郎の名前が構内放送で呼ばれた。

構内放送:「”ドライバーの中川さん電話が入っております。至急、事務所までお戻りください”」

徹が事務所の方を指指して一郎に言った。

徹:「一郎ちゃん、俺そろそろ行くわ、お前いった方がいいんじゃね?」

モータープール、事務所、独身寮、整備工場はすべて敷地内にあり、歩いて行ける。一郎はプレハブ造りの事務所に入ると、いつも通りに事務方が数人パソコンに向き合っていた。一郎は頭を下げて挨拶した後、すぐに事務方に尋ねた。

一郎:「お疲れ様です。中川です、電話だれからですか?」


一郎の声に気付いた美女が、電話の相手が誰であるかを一郎に伝えた。

女性:「お疲れ様です。東洋テレビ、えーと、松田さんです」

彼女の名前は大島愛美。荒川運輸の一人娘だ。真っ赤なスポーツカーを乗り回すじゃじゃ馬だが根は親切で優しい美女である。一郎の入社時は未だ小学生。妹のような存在でよく遊んでやった。今は仕事とプライベートを弁える素晴らしい女性に育った。

一郎は愛美に微笑み礼を言った。そして、数日前にエンジンを直してやった車の調子を尋ねた。

一郎:「おう、愛美ちゃんサンキュウ。っで、車、調子、どうよ?」

プライベートでは未だに”一郎にいちゃん”と甘える愛美だが、OLとしては頼りになる。

愛美:「お陰で絶好調。テレビって、なんかすごいですね」

一郎は愛美に電話相手の素性を聞く。

一郎:「そう、よかったじゃん、っで、なによテレビって?」

相手の情報が少ないので困り顔。

愛美:「本人じゃないとダメだって言われてしまって…」

情報が少なく半信半疑で電話に出た一郎。

一郎(電話):「”はい中川ですけど”」

電話の相手が低姿勢の営業トークで自己紹介した。愛美に情報を教えないところを見ると、どうやら女性には冷たい男尊女卑の世界で生きてきた男の様だ。
松田電話:「”中川一郎さんですか?私、東洋テレビのサイエンススペシャルの松田と申します”」

徹が一郎の『UFO』体験を勝手にテレビ番組に応募し、一郎が選ばれた。テレビ局から最終確認の電話があり、一郎は快諾した。

モータープールに戻ると、見事に徹のトラックが無い。一郎は徹に呆れ返った。

一郎:「あの野郎、逃げやがった、またやられた」

第一節『徹の企て』はこれでおわり、次回は第二章「TVトークショー」第二節『夢』一郎が毎晩見る不思議な夢の話や、UFOを見た話を徹に聞かせていた。その話をネタに、徹は面白半分でテレビの番組に投稿した。それも来週の夜本番だ。本当に大丈夫なのか、一郎?先輩本田の証言でフィルのことやら、色々思い出した。さあ、どうなるのか一郎?乞うご期待!
    ```

物語の主要な要素を簡潔に伝えていますが、詳細やキャラクター間の関係性は多少省略されています。それらを理解するためには、プロローグから全文を読むことをお勧めします。

・・To Be Continued・・


■凡例

N・・高速道路はおもったより・・)⇒ナレーションorNVナビゲーター
(TR・・お届けは・・)⇒ラジオやテレビの音
(SE・・ギャーギャージャーッー・・)⇒効果音
「WL・・アイツハ・・」⇒外人さん用ベシャリ
「いいじゃん。」・・俺は周りを歩きながら・・見て感動した・・⇒通常のト書き
以下はト書きのようなものをつに分けた
(BM・・・・と、・・・・思った)⇒男心は  
(GL・・・・と、・・・・思った)⇒女心は
PO・・みんなは思った・・)⇒大衆、みんなの心中
※📞なるほど📞or📱フィル・・よ📱⇒電話の内容
※📢・・お早うございます・・⇒業務連絡や広報車、選挙カーなど放送内容
※🎙ハローCQ・・一郎ちゃん聞こえる・・どうぞ🎙⇒トラック無線
撮影中会話or台詞
※・・アリガト・・⇒物語のシガト隊員たちの連絡や作業中に了解、承知、分かった、どうぞ時に使用するワーク用語

■データ 本文*で囲った言葉*

※抜け賭け⇒読み方:ぬけがけ[名](スル)人を出し抜いて、物事を行うこと。「―して秘密をばらす」

※モータープール⇒本物語では運送会社のトラック置き場を意味する。定かではないがプールという言葉が集まる場所という意味合いから駐留米軍が使っていた。それが戦後日本に広まり特に運送業界や海外輸出用の車駐車場に業務用語として使用されるようになったらしい一般駐車場にも使用されていたが、東京は地上げ騒動で消滅、今も大阪だけは現役用語。

(注)挿絵はオリジナル画と、フリー素材イラストACさん、イラストボックス、イラスト屋さん、街の記録さんなどのフォトやイラストをDLし、模写しています。内容イメージに合うよう色や季節感など変たりし、オリジナルと合成して使っています。ウィキペディア(Wikipedia)ウェブリオweblio、街の記録にリンク貼っています。問題ありましたらメールかコメントください。

(注)またオリジナルや改定オリジナルの著作権利はCNBweb日本放送ーradio室に全てありますので、転写はご注意下さい。

hiro900 

手嶋 広

フィクションもどきに最後までお付き合いありがとうでした。 子供のころからサイエンスフィクションが大好なおじさんがイメージしたことを文章化してみました。 嫌じゃなかったら、またお寄りください。次回もまっています。 注:これは小説ではありません。僕の創ったメッセージフィクションです。文中にたびたび出る(アイヌ)は(人、人間、人類)のことです。特定地方の士族を指すものではありませんので、ご理解ください。

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