ナレーション:(私たちは日々、何も不自由なく暮らしています。しかし、一歩間違えば、ボタン一つで世界を不幸に陥れる可能性があることを、決して忘れてはなりません。)

ナレーション:(さて、ここで未知の宇宙に目を向けてみましょう。宇宙は無限に広がり、未知に満ちています。多くの作家が昔から作品を生み出してきました。この物語も、宇宙を題材にしています。多くの情報が飛び交う現代に生きる人々に、異なる宇宙環境で育った男女の冒険を通じて、人が追いついていない行き過ぎた文化科学と滅びゆく生態系や宇宙進出に警告と見直しをメッセージとして送ります。)

また、物語を短くまとめると、「地球人以外のアイヌには死という概念はなく、ただステージを一つ越えたということになる。」という独自の概念を基に、オリンポスアイヌの子孫であるオリンピアアイヌたちが、人間の一郎とともに宇宙船で冒険を繰り広げ、人間の科学文化と生態系の危機に警鐘を鳴らす、という内容です。


第二章「TVトークショー」第三節『伝説の街』



第三節に入る前に、振り返ってみよう。一郎は初めてのテレビ局の雰囲気に動揺を隠せなかった。一郎が動揺していることに気付いた相沢京香は、彼の側に付き添うようにエスコートした。

京香はプロらしく挨拶をし、一郎に微笑んで、収録の手順を説明した。

京香:「こんにちは相沢京香です。緊張しないでください。私がエスコートしてあの椅子にご案内します。そしたら、あそこにいる高田の質問に答えてくださいね」

一郎は緊張しながら返事をした。

一郎:「っはは...い」

やはり彼女はアナウンサーだった。この番組の司会タレントのホセ高田のアシストをしていた。今回は一郎のエスコートをしてくれた、親切で感じのいい女性だった。

さて、続きはいよいよ京香に支えられ、緊張しながら登場する一郎です。その北欧風の女性らしい顔立ちと風貌に、会場は驚きの声を上げた。



京香:「っじゃ行きますよ、中川さんいいですか、私がいますから、安心してください」

緊張して京香の顔を見ながら一歩進む一郎。

一郎:「・・はい・・」

司会の高田が威勢よく進行する。そし、京香にマイクを振った。

高田:「はい、次は横須賀の村上徹さんの紹介。横須賀から、北海道旭川出身の中川一郎さんです。今日も麗しの、京香ちゃん宜しく」

京香がバトンタッチし、一郎を紹介する。

京香:「本日横須賀から何回もUFOに出くわしたという、まるで星の王子様登場。中川一郎さんでーす」

メイン司会の高田は、その明るい笑いと軽快なトークやジェスチャーを交え場の空気を更に盛り上げた。彼のジョーク一つで、会場は笑いに包まれた。京香もそれに上手く答えた。

高田:「おいおい、京香ちゃん、今日はテンション高いね。」
高田が絶妙なトークで、京香と受け答えする。

京香:「いえいえ、高田さん。会場の方も納得でしょ。」

一郎に対して、会場の客から歓声と拍手が起こった。
(ぱちぱちー、ワーワー...)

観客は一郎の長い黒髪と北欧風の女性らしい美しい容姿を初めて見て、騒ぎ始めた。

観衆:「おおおおっ、モデル?俳優?知らないな、男?女?仕込か?外人」

高田が笑いを入れ会場を更にトークで盛り上げる。

高田:「アラッ、宇宙人かと、おもったよ。ねー皆さん、ホッホッ」

相沢アナウンサーのリードトークで俺は、ホセ高田の所に案内されウマイトークで笑わされたので少し落ち着いた。それから質疑応答も順調にいった。



一郎が指定された席に着くと、直ぐ高田との『UFO』目撃から『夢』についての質疑応答が始まった。

一郎:「燃える、街、洞窟、赤ん坊、女性が、何かを、ここで何時も目が覚めます」

高田はテンポよくパネラーの学者依田にマイクを振った。

高田:「なるほど、不思議な夢だね。ここはコメンテーターの依田教授に聞きましょ」

依田が学者らしく自信ありげに答えた。

依田:「それはね、ベリコ・ドリームだね。つまりね、正夢、予知夢、じゃないかな?」

一郎はテレビ番組『サイエンス・スペシャル』の収録も無事終わり、ギャラ代わりに番組グッズをたくさん貰った。一郎がエレベーターホールで缶コーヒーを飲んで一息ついていた時、後ろから男の声が聞こえた。



声の主はプロデューサーの河島で、ニコニコしながら言った。

河島:「中川さんお疲れ様。ちょっとお時間いいですかァ」

一郎は河島に気を使い、焦って缶コーヒーを一気に飲み干した。

一郎:「あっ、河島さん。大丈夫ですよ、飲んじゃいますから、ちょっと待ってくださいね」

一郎の慌てぶりに気まずそうに河島が言った。

河島:「ああ、ははっ、あわてないで、ごゆっくり、飲んでください」

河島は一郎の慌てて飲む姿から、自分の声かけに、反省した。そして、東洋テレビ最上階のスカイハウス展望食堂に誘った。テーブルに着くと何枚かの写真と企画書を見せた。

河島:「実は、これなんですよ」

一郎は、企画者らしきファイルと、色々な資料に目を通し色々河島に尋ねた。

一郎:「今回は『北海道の不思議』って番組で、ワイナイ集落についての特集なんですね?」

河島が一郎に一枚の写真に確認を促した。

河島:「えーと、特にこれなんですよ」

河島の見せた写真や資料はどれも夢に出て来る街に似ていた。一郎が驚いて言った。

一郎:「確かに、ワイナイ伝説や街並みなどは僕の夢の内容と似ていますね」

河島が、ワイナイに行かないかと、突然、提案した。

河島:「突然ですが、実際に北海道のワイナイ集落に行って確かめてみませんか?」

一郎は河島の突拍子もない提案に驚いた。

一郎:「えーッ、僕がですか?」

河島が一郎にニコニコして当たり前のように言った。

河島:「もちろん向こうにはうちのチーフデレクターと、系列局のスタッフが事情把握してますから、安心ください、。交通費、宿泊費、食費など費用はこちら持ちで、旅行気分で、中川さんイケメンだから、もてるでしょう?彼女一緒にいいですよ。」

一郎は河島の提案に即決は避けた。一度持ち帰らせてくれと頼んだ。

一郎:「はあーッ、僕はいいんですが、会社を休むとなると、相談しないとまずいんで」

一郎は河島から北海道取材に同行を頼まれた。しかし祖父が亡くなってから帰郷していない自分に戸惑いを感じつつ、番組巣材から起こる答えへの期待もあった。その一方で、一郎の夢に興味を持った河島はそれを番組の演出に利用しようと考えていた。

翌日、一郎は休暇だったが、北海道に行くことについて仕事や同僚のことを考えていた。その結果、社長に相談するために会社に出向いた。

社長はにっこりと笑い、一郎の北海道への旅行を快く許可した。
社長:「一郎ちゃん、先月は無休で働いてもらったから、今回の北海道への旅行さ、行ってきなよ」

社長の即決に戸惑う一郎が言った。
一郎:「社長、いいんですか?」

社長が笑みを浮かべ、一郎に何も心配しないで北海道に行くように促した。
社長:「だからさ、久保田君も山梨に慣れてきたし、この際、北海道に行ってきなよ。来月と再来月はこっちでも大丈夫だからさ、ははっ」

社長の許可を得て、一郎は北海道への帰郷を決心する。

第二章「TVトークショー」はこれで終わり、最後までお付き合いお疲れ様でした。次回は第三章「ワイナイ伝説」第一節『雑踏の偶然』テレビ出演から数日後、雑誌を買うために横須賀の街に出かけた一郎。偶然出会った懐かしい声、忘れかけた全てを思い出す。そこで彼は新たな冒険と出会いが始まり、自分自身と向き合うことになる。果たしてどうなることやら、乞うご期待!

物語の主要な要素を簡潔に伝えています。ただし、物語の詳細やキャラクター間の関係性などは省略されています。それらを理解するためには、プロローグから全文を読むことをお勧めします。



・・To Be Continued・・


■凡例

N・・高速道路はおもったより・・)⇒ナレーションorNVナビゲーター
(TR・・お届けは・・)⇒ラジオやテレビの音
(SE・・ギャーギャージャーッー・・)⇒効果音
「WL・・アイツハ・・」⇒外人さん用ベシャリ
「いいじゃん。」・・俺は周りを歩きながら・・見て感動した・・⇒通常のト書き
以下はト書きのようなものをつに分けた
(BM・・・・と、・・・・思った)⇒男心は  
(GL・・・・と、・・・・思った)⇒女心は
PO・・みんなは思った・・)⇒大衆、みんなの心中
※📞なるほど📞or📱フィル・・よ📱⇒電話の内容
※📢・・お早うございます・・⇒業務連絡や広報車、選挙カーなど放送内容
※🎙ハローCQ・・一郎ちゃん聞こえる・・どうぞ🎙⇒トラック無線
撮影中会話or台詞
※・・アリガト・・⇒物語のシガト隊員たちの連絡や作業中に了解、承知、分かった、どうぞ時に使用するワーク用語

■データ 本文*で囲った言葉*

※ノベルティ(novelty item)とは自己宣伝商品宣伝のため団体個人が無料配布する記念品。「ノベルティアイテム」「ノベルティグッズ」などとも表現する。
※モータープール⇒本物語では運送会社のトラック置き場を意味する。定かではないがプールという言葉が集まる場所という意味合いから駐留米軍が使っていた。それが戦後日本に広まり特に運送業界や海外輸出用の車駐車場に業務用語として使用されるようになったらしい一般駐車場にも使用されていたが、東京は地上げ騒動で消滅、今も大阪だけは現役用語。

(注)挿絵はオリジナル画と、フリー素材イラストACさん、イラストボックス、イラスト屋さん、街の記録さんなどのフォトやイラストをDLし、模写しています。内容イメージに合うよう色や季節感など変たりし、オリジナルと合成して使っています。ウィキペディア(Wikipedia)ウェブリオweblio、街の記録にリンク貼っています。問題ありましたらメールかコメントください。

(注)またオリジナルや改定オリジナルの著作権利はCNBweb日本放送ーradio室に全てありますので、転写はご注意下さい。

hiro900 

手嶋 広

フィクションもどきに最後までお付き合いありがとうでした。 子供のころからサイエンスフィクションが大好なおじさんがイメージしたことを文章化してみました。 嫌じゃなかったら、またお寄りください。次回もまっています。 注:これは小説ではありません。僕の創ったメッセージフィクションです。文中にたびたび出る(アイヌ)は(人、人間、人類)のことです。特定地方の士族を指すものではありませんので、ご理解ください。

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